跡地…(旧・白いゾーン)

悩める女性に向けて。 性、あるいは生き方を、SMという行為を通して書きだすブログ。 18禁。



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悩みすぎて、一歩を踏み出せないときの対処法


「私、自分が何を好きなのかよく分かってないかもです」
と、凛は言う。
彼女は難しいSMの用語や、概念を知識として持っている。
ただ、それは言葉として知っているだけで、自分にとってそれが何なのか、までは分からない。

私は次のように答える。

「好きかどうかって、結局やってみるまで分かんないものです。
服を買う時と一緒で、可愛いな、と思って着てみた赤い服が実はあんまり似合わなかったり、逆に興味ないなーと思っていた服を着てみたら意外と似合ったり。
最初に考えていたイメージとは、全然違う結果になることもある」

なるほど、その例えで胸にストンと落ちました、と彼女は納得した。

私は彼女に必要なのは、SM的な被虐,支配体験ではないと感じていた。

彼女は人並みに化粧をするが、口紅を塗ったことはないのだという。

ずっと両親の下で、子供のように振舞ってきた自分。
健全な肉体と、健全な体を持った「成長した女の子」であることは善き事だが、「女」をアピールする必要はない。

だが、凛はもう子供ではない。
一人で歩くべき、大人なのである。

手始めに私は彼女が避けている「女」を、自覚させることにする。

鏡の前の、女体を共有する。

(” 1話からの続き ”)

「…なにをするんですか?」

「凛の、体のチェックだよ」

「チェック?」

「そう。いやらしい、女の体を」

写真で、という言葉は補わなくても凛は理解する。
下卑た言葉と共に、これから自分がすべきことを理解して、彼女はぶるっ、と微かに震えたかもしれない。

「…わかりました」

割りあいすんなりと、彼女は許諾した。

「でも、スタイルいいわけでないので、見てて楽しいものでもないかもです」

心配はいらない、と私は答える。
自分が見て楽しむわけに要求しているわけではない。

「どうすればいいですか?」

「鏡の前で、スカートをたくし上げて撮ってみて」

しばしの沈黙の帳が降り、返信が届く。

「撮りました…」

見せてごらん、と促すと、凛は一枚の写真を送ってきた。

rin_selfee


「いやらしい格好だね」

「ごめんなさい、どきどきするし、手も足も震えちゃって」

今頃、彼女の頭は真っ白になっているのだろう。
思考が血流に押し流されてしまうみたいに。

「自分の姿、どう思う?」

「はしたないと思います」

素直に答えた後、少しだけ間をおいてもう一通の返信が届く。

「でも、もっと指示が欲しいです」

やはり、というべきか。
いままで避け続けてきた女体の提示が、彼女にとって未知の興奮剤となっているようだ。

「一枚ずつ。自分の体を説明しながら脱いでいきなさい」

その作業はゆっくりと進められていく。
最後に至るまでには、結構な時間がかかる。
だが、凛の頭には時間の感覚もなくなるくらいに興奮が渦巻いていた。

「初めてパンツを下したとき、どんな気分だった?」

私は後になって、そう聞いたことがある。

「自然とそれまであった震えが止まって、ふわふわ気持ちよくなって
あとは見られたくてしょうがなかったです…」

M女はよく「スイッチが入る」という表現を使う。
まさにそんな状態だったのだろう。

しんしんと耳鳴りがするくらいの興奮の中、鏡に映った自分の体を見ながら下着を下ろしたとき
股間との間にだらりと糸をひいたらしい。

「もっと、指示してもらえませんか」

「だめ」

私は、凛の要求をにべもなく断る。

「続きは、会ったときにしましょう」

淫らになった自分の体を、大人の男と共有する。
少女性はいよいよ失われる。
何も言い訳はできない。
子作りのための清いセックスではない。

ただ、あさましく眠っていた、青い性欲
女として、性の対象になる覚悟。

凛の内側に、「女」の火が灯る。

男の性的対象となるための、体。
私は、それを持っている。

最初、揺れていた凛の決意は、この頃はすでに固まっていた。

「〇日ですが、お会いしたあとに少しカフェでも寄りましょう。
そこで、最終的な意思を確認させてもらいます」

私の送ったメッセージに、凛は分かりました、と返事をした。
そのあとに、少しだけ気持ちを付け加えてくれた。

「最初はしたくないことは絶対したくないと思っていたのですが、今はハルトさんに叩かれたり自由にしたいことされたら、自分はどう反応するんだろうって少し興味があります」

凛の心は、少しずつ溶けてきているようだった。



おまけ:火のついた心


この体験を通して、凛はちょっと新しい性癖を開拓したみたいである。

「いろいろお話してくださったのが、嬉しくて濡れてしまってて…。なんて言ったら信じてもらえるか分からなくて、写真とったのですが送ってもいいでしょうか?」

口下手な彼女が自らを分かってもらうためには、実物を見せるというのが確実な方法となったらしい。
M女は、変えれば変えるほどに、元のかたちを脱ぎ捨てて飛び回る…


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