死ぬまでに 一度でもいいから私を抱いて
他の誰のためでもなく
あなたの性欲のためでもなく
ただ
私のことだけを想って抱いて
体なんて 傷つけたっていい
心なんて 踏みにじったっていい
ただ
たったひとつの優しさで
目の前の私を ちゃんと見つめてそれだけで
誰にも愛されなかったこの体を
恥じることも なくなるような気がするの
いままで 何も与えられなかった私だから
贅沢は言いません
桜の花が 咲いたおりからぱっと散るみたいに
ろうそくの灯が しゅっときらめいて消えてしまうみたいに
ずっと
ずっと
続くものじゃなくていいの
ただ一つだけでも
幸せだった瞬間を持っていたいだけなの
忘れたいんじゃなくて
覚えていたいの
くじけそうなとき
想いだして
強く生きていきたいの
いつか終わっちゃうその時に
わたしは わたしのなかで誇っていたいの
自分にも
女として愛されたあの日があったんだって
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